金沢市議会 2012-03-14 03月14日-04号
中でも問われたのは、建設予定地にある辰巳用水東岩取水口がこのダム建設によって水没することから、環境と文化財を破壊するものとして県内外から厳しい批判が突きつけられました。この辰巳用水東岩取水口から取り入れられた水が兼六園に注がれてきた歴史からしても、守るべき環境であり、引き継がなければならない文化財であります。
中でも問われたのは、建設予定地にある辰巳用水東岩取水口がこのダム建設によって水没することから、環境と文化財を破壊するものとして県内外から厳しい批判が突きつけられました。この辰巳用水東岩取水口から取り入れられた水が兼六園に注がれてきた歴史からしても、守るべき環境であり、引き継がなければならない文化財であります。
しかし、東岩取水口の対岸、取水口の上流付近の史跡調査は全く行われていません。どうしてなのか伺いたいと思います。今から150年余にさかのぼる安政2年--1855年、辰巳用水東岩取水口絵巻が現存しています。これには、取水口とその対岸、さらに取水口の上流付近がかかれています。この絵図に基づいて現存するところに、辰巳用水の文化的価値が裏づけられるものです。
無駄と環境破壊のダム建設は要らないと強い県民の反対から、辰巳ダムは、多目的ダムから治水目的ダムとして東岩取水口を含む辰巳用水を保存し、ダムの位置を10メートル上流部分に移動し、規模を縮小する穴あきダムに計画が変更されました。そして、そのダム建設が、県が昨年1月に事業認定を申請し、総事業費は約240億円をかけ、既に85億円が使われておりますが、いよいよ今年度よりダム本体工事に入ろうとしております。
変更点の大きな第1点は、建設位置を上流にずらし、辰巳用水東岩取水口の破壊をやめ、現状保存することであります。第2点は、利水をやめ、治水目的のみになったことであります。ダムの一番下に穴をあけて、ふだんは水が普通に通過し、大水のときにはその穴の分しか水が通らないので、徐々に水がたまってくる。雨がやむとまたダム水位は下がってきて普通の流れに戻るというものです。貯水しないので水が濁ることはありません。
板屋兵四郎が改築した取水口は、東岩取水口より少し下流の雉にあったのが、犀川の河床の低下によって、夫婦滝の対岸に移され、さらにその上流の現在の位置につけかえられました。東岩取水口の地形は、上流の流れが切り立った岩盤に遮られ、直角に右折。さらに、取水口で岩盤に当たり、左折する格好で流れ、その流れを正面で受け入れる形で取水口のトンネルがあります。
そもそも県当局は、辰巳用水の文化財としての評価を貴重な文化遺産との認識を示す一方で、東岩取水口など、ダム建設で水没する部分については歴史的に浅いなどを理由に、その評価を誤って低く見たことが、結果としてダム建設へ大きく踏み出す決定的な要因となったものであります。
この電話の部だけで見ると、一部の破壊だから仕方がないとする10.3%に対し、63.9%が辰巳用水東岩取水口を保存すべきと答え、また70.8%が自然を守るべきと答えています。また、このまま建設すべしとしたものが 8.2%にすぎず、これに対し計画を棚上げし根本から見直すべきとしたものが68.0%という結果になりました。この調査結果について感想をお聞かせください。
こういった水が出てきたら、東岩取水口なんかはひとたまりもなく土砂に埋まってしまうはずでございます。ところが、 142年たった東岩取水口は今もなお、そんなことはなかったと無口で証言台に立っておるわけでございます。
さて、本市は今、百万石の文化遺産として兼六園と並び、国際的にも高い評価を得ている辰巳用水の重要部分である東岩取水口を、県が計画した建設根拠の乏しいダムによって破壊しようとしているのであります。東岩取水口から兼六園へと一体の用水であればこその価値であり、国の重要文化財の指定も決して夢ではありません。ダムによって破壊されては禍根となるは必定であります。
辰巳ダム建設については、これまでダム建設の必要性、ダムそのものが引き起こす災害、辰巳用水東岩取水口等の文化遺産を含む貴重な自然環境を破壊することを指摘し、一貫して建設中止を求めてきました。しかし、市長は、市民的にも研究者や文化人が参加する反対運動が幾つか続けられていること、そして1万を超す署名の存在も知りながら、あくまで建設強行の先頭に立つ姿勢を変えておられません。
本議場でもたびたび論議になり、我が党は、その必要性やダムそのものが引き起こす災害の問題、貴重な文化遺産である辰巳用水の東岩取水口が破壊される問題、豊かな自然環境破壊などを指摘しながら、一貫して反対をしてきました。市民的にも、研究者や文化人も参加する反対運動が幾つか続けられています。我が党は、多くの市民の皆さんの唯一の代弁者であることを誇りに思うものであります。
東岩取水口など貴重な文化遺産として、歴史的価値の高い辰巳用水をつぶすダム建設促進期成同盟会会長となって、建設推進強行を図ろうとすることは、明らかに偽りと言わざるを得ません。金沢弁護士会は、環境アセスメントは開発追認の言いわけの手段となっていると厳しく批判をしており、県の公害対策審議会の職務を任ずる山出市長の政治責任が問われるものと言わざるを得ませんが、市長の答弁を求めるものであります。
その第1は、貴重な文化遺産である辰巳用水、東岩取水口の破壊についてであります。辰巳ダム建設で第1の問題は、辰巳用水の一部と東岩取水口が水没破壊されることであります。辰巳用水の築造は江戸時代、1632年、加賀藩3代藩主前田利常が、城内で起こるたびたびの火災から水利の不便さを痛感し、小松の住民板屋兵四郎に命じ、犀川の上流の上辰巳村より水を取り入れ城内に注いだのが辰巳用水である。
辰巳ダムは、金沢市の中心から東南へ約8キロの上辰巳町に建設され、辰巳用水東岩取水口の 200メートル下手に位置し、ダムから上流の約3キロ、 700ヘクタールほどが水没する予定で、洪水調節、発電などの多目的ダムの計画で、去る1974年度から県単独の可能性調査に始まり、翌年からは国庫補助事業として実施計画調査が開始され、用地買収などが着手され、つけかえ市道が着工されています。
その間、犀川、浅野川の拡幅改修などの案が検討されたものの、物理的に困難なことから取りやめとなったり、文化遺産、歴史的遺構として辰巳用水の東岩取水口の保存云々をめぐって活発な議論が交わされるなど、紆余曲折を経て現在に至っております。また、本議場におきましても、過去幾度か質問がなされてきたところであります。
4に、辰巳用水の東岩取水口が破壊されることであります。江戸時代の著名な用水が次々と破壊され消滅していく中で、辰巳用水だけがほぼ完全な姿で現存しており、寛永、天保、安政の各時代の測量技術、工法などの土木技術の推移を知る上で、貴重な資料であります。 東京都では、荒廃した玉川上水に清流をよみがえらせ、文化財に指定しようとしています。